インタビューコラム 第一回

コラム

「世のことわりを明らかにし、そのことわりをもって道を導き、示すこと」というのが戦略コンサルタント。

ライターM(以下、M):McUnicornの木下皇一さんにライターMが弟子入りし「戦略コンサルタントとは?」について学ぶコラムの第一回になります。

木下皇一(McUnicorn代表 以下、皇):よろしくお願いします。

M:まずはこのコラムを始めようと思ったきっかけから伺いたいです。

皇:戦略コンサルタントっていうのは、世のことわりを明らかにし、そのことわりをもって道を導き、示すことだと僕は思っているんですよね。世の中にはトレンドってものがありますが、その一方で変わらないものがある。変わらないものはなぜ変わらないのかーその真理、その根源的なニーズを捉えていれば、多少トレンドがずれたとしても戦略というものは変わらない、ブレないというのが僕のコンサルティングの根幹なんです。それを大事にコンサルティングしていることを、このコラムを通じて伝えたいですね。

M:「世のことわりを明らかにし、そのことわりをもって道を導き、示す。」これが今後のキーワードになりますね。

皇:そうですね。

M:まず、コラムのイントロダクション的に最初は木下さんのことを知ってもらおうということで、木下さんがいかにして戦略コンサルタントになったかっていうのを伺っていきたいのですが。

皇:学生くらいからですかね。

M:高校くらいからお伺いできますか。

皇:高校は神奈川県の浅野高校ってところなんですけど、周りの同級生はみんな優秀で、親御さんもみんな立派な親御さんばかりだったなという印象でしたね。部活に励むと成績の伸びが最後に違うって言われていて部活が推奨されている、そんな文武両道って感じでしたね。

M:木下さんは何部だったんですか?

皇:僕はアーチェリー部で、部室で麻雀やサッカーやってましたね。だからか、成績も真ん中から後ろくらいでしたし(笑)。

M:麻雀、サッカー・・・アーチェリーはどこに行ったんですか。

皇:先生にバレないように部室を締め切ってやるんでね。部室が暑くて暑くて。最後はもうほとんど服を脱いでるみたいな状況で麻雀をやってましたね。本当に男臭かったですよ。

M:なんか匂いがしてきそうですね・・・そんな木下少年はどんな学生時代だったのか、もう少し聞きたいですね。

 ファウスト前、ファウスト後で激変する学生時代

皇:中学2年か3年くらいの時にゲーテのファウストに出会うんですよ。

M:ゲーテですか。

皇:ファウストは悪魔に「お前の望むことは全て叶えるけど、本心から満足した時に魂をもらう」っていう契約を悪魔と交わすわけですよ。まあ、恋、地位、名誉、みたいな話なんですけどね。

M:読んだことないので知らなかったんですが、そういう話だったんですね。

皇:最後、盲目になったファウストがひょんな勘違いから幸せを感じてしまって、魂を奪われて死ぬわけなんですが。

M:勘違いですか・・・。

皇:簡単に言うとー悪魔がファウストの墓を掘らせている音を、王となったファウストのために民衆が頑張ってる音と勘違いしてしまったことで、ファウストが心から満足してしまって悪魔に魂を奪われるんですよね。表面的に見ると、人間の欲っていうものは金だとか女だとか名誉って思われるんですけど、そういうもので満たされるのではないと。実はもう一つ学びがあって、自分のためではなく人のために何かした時に、心から満たされるのだということにめちゃめちゃ感動してしまったんですね。

M:それが中学2、3年の時ですか。早熟ですね。

皇:そこで強烈に思うわけですよ。人のために何ができるんだろうって。で、政治に興味を持つわけですよ。で、親にお願いしたことがあって。日経新聞を買ってくれと。

M:下手な新卒よりも優秀ですね。

皇:中学校の頃はジャンプを学校カバンにいれて登校してたんですけどね、高校1年からは日経新聞をカバンに入れて読みながら登校してましたね。

M:それは出社ですね。

皇:しかも京浜工業地帯に。

M:出社でしかないです(笑)。

皇:ECがEUに変わっていった時代で面白かったんですよね。国という概念が通貨というものによって統合されていくのを見て、通貨というもので世界征服ってできるのかなって。

M:高校生とは思えないんですが・・・。

皇:ワクワクしてたんですよね。政治を色々調べたりしていて、政治を狂わせるのはいつだって経済だって気付くんですよ。それで、経済から政治を見ると面白いなって。ファウストに感動して、歴史を学んで、日経新聞読んで、経済学にハマって、麻雀して・・・そういう高校時代でしたね。

高校時代に日経新聞で経済に目覚め、大学で経済への道へ

M:大学受験ってどうされてたんですか?

皇:一応受験勉強してたんですけど、歴史とか経済にのめりこんじゃってどんどん成績がだだ下がりしちゃって、見事に落ちましたね。ただ、高校時代にケインズに傾倒していたので、ケインズを学ぶために横浜市立大学で経済を学ぼうと思って入学をするわけです。

M:日経新聞で経済を学んだ経験が生きてくると。

皇:真面目だったんです。大学のときは。あ、でも興味がないものは友達のE村くんに助けてもらってましたね(笑)。

M:高校の時とは違って真面目に・・・ということですね。

皇:ゼミが2年の時に始まって、厳しいゼミに行ってたんで。寝れないということで有名な藤野ゼミに入ったんですよね。そのゼミでISFJっていう、学生が政策立案・提言をする勉強会にも参加していて。それがよかったですね。たくさん有名な経済学者の先生にお会い出来たのが大きかったですね。

M:例えば・・・?

皇:伊藤元重先生、島田春雄先生、竹中平蔵先生とかですね。元首相の鳩山さんの講演会があったりとか。

M:大学時代は今のところ順調に進んでいますね・・・。

皇:そうなんですよ。面白いと思える授業をちゃんと取ってましたしね。プログラミングで重回帰分析とか、藤野ゼミ名物春合宿っていう5日間ほぼ無寝の地獄の合宿に参加したり。徹夜してでも終わらせないといけないっていうマインドはその地獄の合宿で形成されましたね・・・。

M:そこで戦略コンサルタントとしてのマインドが形成されると・・・。

皇:本当に大学時代は勉強をしていたし、何よりもゼミが忙しかったんですよね。

思い出のバイト話、そして人に初めて話す秘話

M:バイトとかどうされてたんですか?

皇:最初は郵便局の集中局というところでバイトをしていたんですよ。なので、今でも郵便番号は結構スラスラ言えますね。

M:すごいですね。他のバイトとかってされてましたか。

皇:車を大学で持ち出したんですが、その車の維持費のためにテレアポのバイトをしだしたんですよ。今思えば、なかなかの会社だったんですが。ADSL全盛期の時代で、ヤフーBBフォンの法人販売の営業をバイトでしてたんですよ。まあ、それでテレアポが大嫌いになったんですが。

M:テレアポって心折れますよね。

皇:怒鳴られたり、ガシャーンって電話切られたりね。営業とかのサラリーマンは嫌だなって思うわけですよ。で、ADSL回線の設置をやらないかって先輩に誘われて設置に回るわけですよ。で、怖いお兄さんがいる事務所とかに設置に行ったりね。

M:歌舞伎町とかですか。

皇:まあ闇金ウシジマくんみたいな世界だったので、色々言えないですけどね(笑)。

M:ADSLの設置が最後のバイトという感じですか?

皇:違うんですよ。やばい営業部長のMさんが異動してきたことによって、また業務内容が変わるんです。ADSL回線の設置に行ったら、事務所に入れるんだから抱き合わせでコピー機も売ってこいっていうわけですよ。

M:バイトの領域超えてますね。

皇:僕も思ってましたよ。時給さえ貰えればいいし、就活もありましたからね。なのに、ビギナーズラックで2台売れちゃったんですよ。

M:すごい。

皇:で、営業部長のMさんが「ADSLの設置なんかしなくていい、コピー機売ってこい!」というわけです。それで大学4年生の時にコピー機販売の営業をするわけです。

M:もはや大学生なのか、営業マンなのかわからないですが・・・。

皇:でもビギナーズラックだったからなかなか売れないわけですよ。で、考えたんです。

チラシをたくさんコピーするところってどこだろうって。そしたら、某新興宗教の総本山が目に留まりましてね・・・M部長に怒鳴られるのが嫌だから凸るか・・・って思い切って飛び込んだんです。

M:で、どうなったんですか。

皇:結果、100台くらい売れてしまってトップセールスマンになってしまったんですよ。

インセンティブもかなりもらって、M部長に「うちに就職しろよ」って言われたんですけど、当然就職したくないし、しないですよね。

M:インセンティブってすごい額だったのでは・・・?

皇:そうですねえ。でも、おばあちゃんに相談したら「こうちゃん、若い時に大金を得るとロクな人間にならないからね。困っているところに寄付しなさい。」って言うから、全額寄付しました。

M:えっ・・・?

皇:4桁万円寄付しましたね。

M:全額ですか?

皇:一部、車の修理費などに使いましたが、ほとんど寄付しましたね。この話、親にも話したことなくて。初めて人に話しました。

M:えっ・・・そうですか。まあなんと言いますか、徳を積みましたね・・・。

皇:で、コピー機の営業マンにはならずに就職するわけです。

M:学生編を経て、就職編に。次回のインタビューコラムに乞うご期待ですね!

今日はありがとうございました。

皇:ありがとうございました。

編集後記

第一回目のインタビューは新橋のTHE CAFE(通称タバコ天国)で行われ、非常に盛り上がったインタビューとなりました。木下さん行きつけの場所ということもあり、リラックスした雰囲気で行われました。筆者は、座り心地の良い椅子にいろんな種類のコーヒーが飲み放題という神空間をすっかり気に入り、タバコ天国は新橋のお気に入りスポットの一つとなりました。おすすめです。

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おまけ

高校時代は日経新聞の国際面が好きだったという木下さん。EU関連の記事が面白くて、電車を乗り過ごし遅刻することもしばしば・・・どんな高校生なんだろうと驚愕する筆者に、「ある日不良に絡まれてカバンを蹴られたんですけど、不良がかってぇ!って逃げるわけですよ。まあ、日経新聞が数日分入ってるので硬いですよね。」と笑う木下さんにさらに驚愕する筆者なのでした・・・。

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